スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第37話 薩摩の侵略 キングタヌコン誕生序章の完結

琉球王府はある日、突然に崩壊してしまった。薩摩が侵攻してきたのである。
キングタヌコンは王位をはく奪され、大和の国の官位である爵位を授けられて、隠棲することとなった。

かえって、王様時代には時間が取れなかった家族団らん、親友たちとの酒を酌み交わしながらの語らい、
どれもこれも楽しく、王国の悲劇を忘れてしまうほどの穏やかな毎日をキングタヌコンにもたらした。

細川周遊斉と酒を酌み交わし、窓の外を眺めれば、昨日の日が傾いた夕刻からすでに丸一日が過ぎ、
朝日が昇ろうとしていた。

季節はちょうど、うりずんの時期、草も花もその彩を濃くし若葉はいっせいに咲き誇っていた。
その生命の息吹がふもとの大地をやさしく潤おしている。

周遊斉; 「ああ、うりずんの沖縄やぁ、すばらしい。」
キングタヌコン; 「本当に素晴らしい、わが王国琉球よ!うりずんよ!」

周遊斉;「見なはれ!太陽が昇るぞ!新しい生命がニライカナイから誕生するでぇ!
           琉球は何度でも生まれ変わるんじゃ!」

キングタヌコン; 「神よ!もし許されえるなら王国の再興をお祈りします!その強い思いを大志とし、
           大交易時代の海の荒波を越えた勇気ある琉球人の誇りを忘れずに、…・」

両名も、そばに控える家臣たちも、覚悟を胸にしまい込み、固くその思いを互いで誓い合うのだった。

pic_b019.jpg





序章 キングタヌコンの誕生 完結



人気ブログランキングへ
スポンサーサイト

第36話 おかえりなさい 旅情回想編

那覇首里城に戻り、キングタヌコンも周遊斉も、アユタヤ―や台湾での夢のようだった旅情を懐かしみ、
反すうするかのごとく、再度思いにふけっていた。

アユタヤ―では死んだと思っていた北山王が異国の地で王となって生きていたこと、には驚かされた。
家族や家臣にも裏切られ、絶望の淵をさまよっていた彼がみごと復活していたことはどこか痛快で
キングタヌコンにはうれしく思えた。

センバル次郎と北山王は子供の頃からの幼馴染であり、王として殺し合いさえしたのではあるけれど、
今思い返せば、幼き頃に北山王の家でご飯をごちそうになったことや、皆でやんばるの林を駆け回った頃
のこと、北山王の子供が中城村に遊学に来た際には、タヌコン城に招き一緒に遊んであげた当時の想い出など、


王として戦いはしたけれど、幸せだったころの想い出はすべて、互いの家族や親友と自分との記憶の中に
鮮明に生きていることに気づかされた。

キングタヌコン; 「なぜ、殺しあわなければならなかったんだろうか?」
 「北山は裏切った家族や家臣をなぜ許したんだろうか?許せたのか?」

人にとってのこの世の森羅万象とは、己の目で見ることができる現実の世界がそのすべてである。つまり、
北山王のように優秀な男でも、敗走し身をひそめて隠れて生きれば世の中から名前さえ忘れられて、
もしつまらない奴らによる裏切りで死んでしまったら、二度と陽の目を見ることができなくなり、
北山のような社会にきっと役立つであろう優秀な男の人生を台無しにしてしまうのである。もちろん、
キングタヌコンにとってもこのことは同じことだが、……

世の中では、多くの人間の記憶の中に誇りと共にその名前を刻むことは、ごく一部の者にのみ許される。
悲しいことでもあり、この世の人間社会は、やさしかったり、思いやりの心がある、仁義を重んじる
人間ばかりだとは限らない証左である。

優秀だったり、高貴だったり、社会に役立つような人間を押しのけて、くだらないことをして、するがしこい
騙し討ちをしたような、いやな奴らがのうのうと暮らしていることもあるのだ。生き残れなければ、その消さ
れた人間たちの物語は永久に終わってしまうのだ。歴史など、いいかげんなものだ。

周遊斉が、ぽつりと言った。 「さぁ、人生楽しくいこうかいなぁあー!」
            「金も生きてるうちに使わんとなぁー、ふふふ。」

king_oukan_2014072810440701c.jpg

人気ブログランキングへ

第35話 台湾周遊 台北編

台北駅に到着し、中山北路(チョンサンペールゥー)を歩き、旅行代理店の琳克源が予約してくれた
百里飯店(バイリーフアンティエン)に投宿することとなった。ここはすごく安いホテルで、ロビー
には琳克源が琉球商人の大城さんと一緒にコーヒーを飲んでいた。

キングタヌコン・周遊斉; 「はじめまして大城さん!」
大城さん; 「これは王様お会いできて光栄です。」

聞けば、大城は海ブドウの養殖を大規模に行い、琉球観光客向けや国内ばかりではなく、ここ台湾
にも売り込みに来ていた。琳克源は旅行代理店の仕事だけでなく、ブローカーのビジネスも得意とした。
さっそく、潮州料理店で会食がセットされ、そこには来賓として台湾水産試験場所長代理や技術試験管
が3名やってきた。

大城さんにとっては克源のこのアレンジ能力は、大変ありがたいものだった。琳克源、大城さん、水産
試験場の3名だけなはずだが、そのほかに、琳克源の弟が台北でやはり旅行代理店を営業しており、弟、
そして、周遊斉とキングタヌコンもご相伴にあずかることとなった。

実は克源の弟とキングタヌコンは、琉球大学のセンバル次郎時代の遊び仲間でもあった。
大城はその夜、商談がうまくまとまったようだった。満面の笑みを浮かべながら、彼はベッドに横になった。

翌日も、民生東路二段通り沿いの広州料理店で会食となった。ここのビルの三階と四階の二フロアは
克源の弟の所有するものだった。弟はやり手だったのだ。

今日は、大和の国から来客があった。郡上八幡の観光客を台湾からぜひ呼び込みたい、郡上市観光公社、
郡上市市役所観光課、地元の旅行代理店、など総勢六名の台湾視察旅行一行であった。

今日もキングタヌコン、周遊斉はタダで飯がありつける。もちろん克源も同席した。
甘辛く煮つけた豚足 → 鶏の脚の煮つけ → ピータン → 北京ダック → ・・・・・・・・

郡上市の職員が困ったと話し始めた。お金を外国為替管理法制限枠を超えて、持参してしまったが、
大和の税関で持ち帰れば見つかって没収されてしまうかもしれない。

そんな話にはだれも興味を示さず、げっぷが出て、腹をさすって、ベルトをみんなで緩めていると、
一人それを聞いた克源が、何やら手刀で空を切り、印を結び始めた。手の指で何かのサインを伝える、
大和の宗教の印を結ぶのとは違い、華僑のある一派の独自の印であった。

ある男; 「お呼びでしょうか!」
克源; 「地球の裏の果てまで、どんなものでも運ぶ華僑のネットワークを利用したい!」
ある男; 「かしこまりました!」
克源; 「今回は紙幣だ!大和の国に届けてくれ!」

俗にいう地下銀行であるけれど、彼らの場合は、紙幣や金貨だけでなく何でも人間そのものも、
すべてのことを解決する、「運び屋」であった。

郡上市職員; 「やあ、助かったよ!克源さんありがとう!シェーシェー」
琳克源; 満面の笑みを浮かべた。

pic_f032.jpg

人気ブログランキングへ

第34話 台湾周遊 自強号が行く

高雄からは台北まで普通列車の自強号に乗ることとした。高速鉄道スペシャル自強号は工事中であり、
まだまだ開通には時間がかかった。

ちょうど夏祭りのさなかで、列車は混雑を極めており、高雄駅では指定席が取れず困っていると、
周遊斉と高雄の駅長とで何やらやり取りをしている。

周遊斉; 「台湾人、琉球人、みなトモダーチねぇ~」
高雄の駅長さん; 「シーダァ、シーダァ(是的,是的、はいそうですね)」
周遊斉; 「そこをなんとかねぇ、お願いしまっせ!」
高雄の駅長さん; 「ウォフェィ、フェンクワン(我會分礦、わたしのをわけてあげるさぁ)」

なんと駅長の所有する臨時枠のチケットを特別に2名分分けてくれたのであった。

周遊斉; 「駅長はぁん、これ少ないけど取っといてくださいな!」、5千台湾ドルを差し出す。
高雄の駅長さん; 満面の笑みを浮かべるも、しかし、
    「ウォプゥーシヤォ(我不需要、いりませんよ、友達から金なんかいただけません)」

さすが台湾人!琉球人も見習わないといけないなぁー、とキングタヌコンが感動していると、
そして遠慮なく、さっそく指定席に座っていると、通路に弁当売りがやってきた!

弁当の売り子; 「ポーク、オア、タヌキ?」
周遊斉とタヌコン; 「ポーク!!」

この弁当で、ルーロォーファン(煮込み豚肉かけごはん)みたいなのは、ものすごくおいしかった。
ご飯の上に、三枚肉がぎっしり押されてのっけられている。バカウマ!

food_obentou.png


人気ブログランキングへ

第33話 台湾周遊 高雄編

高雄が見えてきた。カオシュン、ガオションなどと発音するこの街は台湾第二の大都会であるが、
地元出身者で占められる意味では台北よりも台湾らしいのである。

ちょうど訪れた際に、台北と高雄を結ぶ高速鉄道スペシャル自強号の工事中であり、それは
大和の国の支援で支えられえていたので、ヤマトンチュ(大和の人間)が高雄の市街で見られた。
高雄は大変なにぎわいを見せていた。

煮込み豚肉かけごはん(滷肉飯)ルーロォーファンをキングと周遊斉が屋台でかき込んでいると、

琳克源が話しかけてきた。彼は琉球で台湾と琉球との旅行を仲介する代理店を営んでいるわけで、
月の大半は台湾に滞在していた。

琳克源; 「ハイサイ!先生!そしてセンバル君!」
周遊斉の今回の船旅のチケットのビジネスクラスは、克源から購入したものであった。
キングタヌコンはやはり克源から買ったんだがエコノミーだから周遊斉の方が上客ということになる。
しかも、克源はセンバル次郎の琉球大学の先輩だから、後輩扱いとなるわけである。

キングは王様なのにここ台湾高雄でも、
周遊斉の方が一番偉い → 琳克源の方がずっと先輩である → 王様なのに格下のキングタヌコン
という図式であった。

面白くないからキングタヌコンはルーロォーファンを100杯おかわりした。
周遊斉は老酒(ラオチュウ)をザラメを入れてぐいぐい飲んだ。
克源は臭豆腐(しゅうどうふ、チョウドウフ)を、台湾ビールと共にのどに流し込んで喜んでいた。

臭豆腐(しゅうどうふ、チョウドウフ)のあまりのくささに文句を言うと、大和の人間たちが
納豆を食べるのと同じさぁー、と言ってはばからなかった。

eat_a15.png

人気ブログランキングへ
カテゴリ
リンク
プロフィール
山小屋在住・愛犬シロ  本当の仕事はドラゴンパレス執事、バトラーである。

Marcy Goldfield

Author:Marcy Goldfield
自営、投資業

最新記事
月別アーカイブ
ブロとも一覧
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。