スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第10話 北山王の嘆き悲しみ その3

北山の栄耀栄華は絶えた。しかしながら、北山王は彼なりに民を慈しみ、ひたすら王朝の繁栄を願った。

家族も、息子や娘、美しい妻たちも、いまはいない。あれほど家族のごとく、兄弟のように接してきた、
臣下たちも、キングタヌコンに包囲されただけで蜘蛛の子を散らすように誰もいなくなった。まだ、
勝負はこれからだというのに。

王朝の保有する金貨や財宝だけが、彼らにとっては大切なものだったのである。妻も子供も、自分たちの
人生はこんなはずじゃなかったと、王の身を心配するのではなく、まず自分たちのことだけに心が支配
されていた。理想の王朝を打ち立てようと共に戦った何代も王朝に仕えてきてくれた重臣たちでさえ、
その日の生活に必死であり、実際は経済的にいささかの余裕はあっても、頭の中は他人を押しのけても
生き残りたいという一心に支配されていたのである。

北山王は分かっていた。「愚かな者たちだ。幸せは金や財宝で買えるものではないのに。」
北山王は心からそう思っていた。


img_a074.gif

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
リンク
プロフィール
山小屋在住・愛犬シロ  本当の仕事はドラゴンパレス執事、バトラーである。

Marcy Goldfield

Author:Marcy Goldfield
自営、投資業

最新記事
月別アーカイブ
ブロとも一覧
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。