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第36話 おかえりなさい 旅情回想編

那覇首里城に戻り、キングタヌコンも周遊斉も、アユタヤ―や台湾での夢のようだった旅情を懐かしみ、
反すうするかのごとく、再度思いにふけっていた。

アユタヤ―では死んだと思っていた北山王が異国の地で王となって生きていたこと、には驚かされた。
家族や家臣にも裏切られ、絶望の淵をさまよっていた彼がみごと復活していたことはどこか痛快で
キングタヌコンにはうれしく思えた。

センバル次郎と北山王は子供の頃からの幼馴染であり、王として殺し合いさえしたのではあるけれど、
今思い返せば、幼き頃に北山王の家でご飯をごちそうになったことや、皆でやんばるの林を駆け回った頃
のこと、北山王の子供が中城村に遊学に来た際には、タヌコン城に招き一緒に遊んであげた当時の想い出など、


王として戦いはしたけれど、幸せだったころの想い出はすべて、互いの家族や親友と自分との記憶の中に
鮮明に生きていることに気づかされた。

キングタヌコン; 「なぜ、殺しあわなければならなかったんだろうか?」
 「北山は裏切った家族や家臣をなぜ許したんだろうか?許せたのか?」

人にとってのこの世の森羅万象とは、己の目で見ることができる現実の世界がそのすべてである。つまり、
北山王のように優秀な男でも、敗走し身をひそめて隠れて生きれば世の中から名前さえ忘れられて、
もしつまらない奴らによる裏切りで死んでしまったら、二度と陽の目を見ることができなくなり、
北山のような社会にきっと役立つであろう優秀な男の人生を台無しにしてしまうのである。もちろん、
キングタヌコンにとってもこのことは同じことだが、……

世の中では、多くの人間の記憶の中に誇りと共にその名前を刻むことは、ごく一部の者にのみ許される。
悲しいことでもあり、この世の人間社会は、やさしかったり、思いやりの心がある、仁義を重んじる
人間ばかりだとは限らない証左である。

優秀だったり、高貴だったり、社会に役立つような人間を押しのけて、くだらないことをして、するがしこい
騙し討ちをしたような、いやな奴らがのうのうと暮らしていることもあるのだ。生き残れなければ、その消さ
れた人間たちの物語は永久に終わってしまうのだ。歴史など、いいかげんなものだ。

周遊斉が、ぽつりと言った。 「さぁ、人生楽しくいこうかいなぁあー!」
            「金も生きてるうちに使わんとなぁー、ふふふ。」

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